鴨長明は、次のように移り行くもののはかなさを語った。

ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

これが書かれたのは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての、世の中が激しく乱れた時代である。